胆道癌肝切除での神経浸潤と動脈周囲の郭清方法とそのコッ

摘要

肝門部領域胆管癌や進行胆囊癌の標準手術は,胆管切除とリンパ節郭清を伴う広範囲肝切除であり,これらの疾患は約半数にリンパ節転移を認める.肝門部領域胆管癌および胆囊癌の予後因子として，リンパ節転移や神経周囲浸潤が報告されている.胆道癌はその解剖学的位置から,肝十二指腸間膜内の主要血管に近接し，浸潤しやすい.肝動脈周囲の神経叢に沿った直接浸潤様式は胆管癌の特徴でもある.したがって，胆道癌が胆管壁を超えて浸潤する場合は，肝動脈周囲神経叢は郭清対象となる.本稿では,当科で行っているリンパ節郭清および神経叢郭清のうち,尾側の処理に焦点を当てて解説する.