近年、公共交通の再生を企図してわが国においてもMaaS (Mobility as a Service)の導入が一部で謳われている。そこで本論ではMaaSが如何なる概要であるのかを説明し、MaaSが一部企業に独占力を生み出し、非効率な補助を生み出す恐れがあるという、制度設計上の留意点を明らかにする。その上で、公共交通の再生に対してその効果は限定的であり、MaaSが存立可能であるのは大都市の公共交通が顧光交通にほぼ限定されることを示す。一方で、公共交通の再生を期待するような地方都市にMaaSを導入しようとすると、その弊害が無視できないことを明らかにする。
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