frailtyと心不全

摘要

frailtyの概念は，ストレスに対する恒常性の回復が低下した脆弱な状態を示し,転倒， せん妄，身体障害を含む健康障害の危険を高める状態である.かつてfrailtyは虚弱と翻訳 されていたが,虚弱ではfrailtyのもつ多面的な要素である身体的，精神?心理的，社会的 側面を十分に示せていなかった.このような背景から，日本老年医学会は,frailtyを「フ レイル」と呼ぶことを提唱し，高齢社会における健康長寿を支援する意識改革を意図する ステートメントを2014年に発表した.フレイルのイメージを図1に示した.「プレフレ イル」や「フレイル」は，介入により再び健常な状態に戻るという可逆性を含み，要介護状態に陥る前段階と捉えることができる.そのため，「プレフレイル」や「フレイル」の早期 発見?早期介入が重要である.