漁船用高速ディーゼル機関における廃棄漁網由来の再生油の燃焼評価

摘要

我が国で製造，利用される漁業関係向けのプラスチッ ク類は，年間，漁網が約6，010トン，漁業資材ロープが 約10，530トン，発泡スチロール製フロー トが380トン， 硬質プラスチック製ブイが約1,500トン，カキパイプが 約600トン，合計約2万トン前後と試算され，我が国の全プラスチイク生産量の約0.2%を占めるこのうち， 漁網に注目すると，使用期間が短く，トロール網では約 3年で交換されると言われているが，廃棄漁網の年間発 生量については報告が見当たらない。これらの廃棄には， 「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」において産業廃棄物としての適切な処理が求められ，「海洋汚染等及び 海上災害の防止に関する法律」においても海上投棄が禁 止されている。ただし，例外規定として，人命および船 体の安全確保のための海洋投棄は許容されるが，荒天時 の偶発的な流出は，ゴーストフィッシングの要因になる と想像される。これらを踏まえて，水産庁では漁業にお けるプラスチック資源循環問題への取り組みや，環境 省では漁業系廃棄物ガイドラインを公表している。