DLBCLの再発時に抗TIF-1γ抗体陽性皮膚筋炎を 合併した1例

摘要

X-2年に前医でDLBCLに対しR-CHOPを6コース行い CRとなった。X年4月に背部痛がありCTで右尿管周囲腫 瘤を認め，同部の生検でDLBCL再発と診断した。転居に伴 い当院紹介予定だったが,6月から顔面や体幹の紅斑，近位 筋の筋痛や筋力低下があり当院を救急受診した。血清CK高 値，抗TIF-l/抗体陽性を認め,DLBCLに合併した皮膚筋炎 と診断した。救援療法としてR-DeVICを開始後，翌日から 循環不全を認め，腫瘍崩壊症候群と考え全身管理を行った。 リンパ腫病変の縮小および血清CK値の低下を認めたもの の，全身状態は改善せず永眠した。抗TIF-1Z抗体陽性皮膚 筋炎は悪性腫瘍との強い相関が知られているが，悪性リンパ 腫との合併は稀である。皮膚筋炎は悪性腫瘍の初発時のみな らず再発時にも合併し原病の改善とともに軽快するため，原 疾患のコントロールが重要となる。貴重な症例と考え，文献 的考察を加え報告する。