p値やハザード比を計算したい!

摘要

筆者の思い:血液学を含めた臨床腫瘍の分野では,主要論文の一番大事な図は,プラセボや標準治療に対して新しい治療法 が挑戦する構図となり,それがカプラン?マイヤー曲線に表現されます。そしてp値やハザード比の95%信頼 区間によって結果が判定され,ガイドラインが書き換えられていきます。さてそうなると,どうやってそのp 値やハザード比が出てきたのか，無性に知りたくなるのは私だけでしょうか。いや,そんなはずはないと思うの です。臨床試験に用いられる統計解析を学ぼうとするとき，大きく 2つの方法があります。1つは「臨床統計」 の教科書で学習する方法です。ただこの場合は論理展開を円滑にするため,基礎的な統計知識は知っていること が前提とされます。そして個々の統計手法の数理は,「〇〇という統計量は△△分布に従うことが知られている ので……」として省略されることが多く,分かったという実感が得られにくいです。もう1つは「確率?統計」 の教科書からスタートする方法です。この場合は基礎的な統計学の諸概念を次々に理解していくことになります が，臨床現場で用いられている統計手法まで到達することはしばしば困難であり,志半ばで興味が途切れてしま います。