岡山県南部の二級?可川前川における 自然攪乱に伴う沈水雑草群落の発生動態

摘要

河川生態系における沈水雑草群落の発生動態を把握するために，岡山県南部の二級河川の前川において，2004年から 沈水雑草群落の分布を11年間調査し，自然*乱に伴う環境要因の変動と沈水雑草群落の分布との関係について検討し た.2004年はセキショウモ及びササバモが優占し，ナガエミタリも帯状に群落を形成していた.その後，セキショウモ 群落は2006年には全域に拡大し，底質の粒径組成が細粒化すると共に全体の種組成は単純化した.ナガエミクリ群落は セキショウモ群落との競合により2007年に消失した.ササバモ群落もセキショウモ群落との競合により2008年から 徐々に衰退したが，2011年及び2013年の100mm以上の一雨降雨による自然攪乱によってセキショゥモ群落が流出し， 再びササバモの分布が促されて種組成が多様化した.