JR東日本「事故の歴史展示館」の拡充

摘要

現在の鉄道の安全を確保する設備やしくみ?ルールは、過去に起きた数々の事故の教訓から構築されてきた。しかしながら、急激な世代交代により事故の教訓や鉄道の仕事に潜むリスク、システム?ルールの生い立ちを知る機会が少なくなってきている。新しい安全システムの導入やルールの整備により、安全性が高まった反面、事故を身近に感じる機会が減少しているという問題意識から、2002年11月に福島県白河市にあるJR東日本総合研修センター内に「事故の歴史展示館」を開設した。その後、2014年4月に「事故の歴史展示館（車両保存館)」を、2018年10月には「事故の歴史展示館」の移設?拡充、及び「事故の歴史展示館（考察館)」を新たに開設した。本稿では、「事故の歴史展示館」の設立から拡充までの経緯を紹介する。