多くの国内企業では,技術的負債(複雑化·老朽化·ブラックボックス化した既存システム)がデジタルトランスフォーメーション(DX)実現の足かせになり,事業に資する“攻めのIT”へ十分な資金·人材が投入されていない。技術的負債が残存した場合,IT人材の引退や製品のサポート終了等に伴って巨額の損失が発生し,デジタル競争の敗者となるおそれがある。これに対して日本政府では,“クラウド·バイ·デフォルト”を掲げて,技術的負債の解消のためにクラウド移行の方針を出している。三菱電機グループでは,開発·保守工数削減,セキュリティリスク低減を目的に,当社グループ全体で利用可能なパブリッククラウド上の共通システム基盤である当社グループクラウド“MELGIT-cloud(Mitsubishi Electric Global IT platform service-cloud)”を2018年4月に構築した。そして,DX加速のためにオンプレミス上の業務システムのクラウド移行を進めている。しかし,業務システムのクラウド移行は,コスト効果が見えない等の理由によって進んでいない。そこで,クラウド移行を推進するために,“クラウド共通基盤の整備”“クラウド移行ガイドラインの整備”“クラウド移行拠点支援プロセスの整備”に取り組んでいる。これらによって技術負債を解消していくとともに,今後,クラウド人材の育成や,クラウドの新しい技術を取り込み,DXを更に加速させていく。
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