特殊な画像所見を呈した紡錘細胞形態を伴う縦隔 原発びまん性大細胞型B細胞リンパ腫

摘要

【症例】40歳,女性。【主訴】頸部リンパ節腫脹,胸痛。【現 病歴】頸部リンパ節腫脹および胸痛を主訴に近医受診,縦隔 腫瘤を指摘されて当科紹介となった。【臨床経過】PET-CT 検査上,前縦隔に一部石灰化の混在?胸骨への浸潤?破壊像 を認める境界不明瞭な不整形腫瘤を認め,複数回針生検を施 行するも固形がんは否定的であったものの確定診断に至ら ず,胸腔鏡下縦隔腫瘍生検を施行し,最終的に紡錘形細胞の 特徴を持つびまん性大細胞型B細胞リンパ腫（DLBCL）の 診断となった。DA-EPOCH-R療法6コースにて寛解となり, 2年5ヶ月後現在も寛解を維持している。【考察】紡錘形細 胞の特徴を持つリンパ腫はDLBCLの形態学変異体である。 形態学的には間葉系腫瘍と類似しており,鑑別のためには免 疫化学染色が重要である。【結語】紡錘細胞形態を伴う縦隔 原発びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の1例を経験した。