形質細胞のクローナルな増加を伴うEBV陽性細胞 傷害性分子陽性末梢T細胞リンパ腫,非特定型

摘要

52歳男性。4ヶ月続く発熱と1ヶ月前からの頸部リンパ節 腫大悪化を主訴に当院を紹介受診された。頸部リンパ節生検 で,EBV陽性細胞傷害性分子陽性末梢T細胞リンパ腫,非 特定型(PTCL)と診断された。血液検査では,WBC 16,150/μl中47.5%のPTCL細胞と1%のλ優位形質細胞を 認め,IgG 5,303 mg/dlと上昇し,IgG-λ型M蛋白を認めた。 受診前の2ヶ月で総蛋白値が急上昇しており,PTCLと同時 に形質細胞腫瘍の発症が疑われたが,骨髄検査ではPTCL細 胞浸潤の他,io%の集族性のない形質細胞を認め,κλ軽鎖 の偏りを認めず骨髄腫の診断には至らなかった。CHOP療 法2コース後,表在リンパ節は触知せず,IgG1,480 mg/dl まで低下している。形質細胞のクローナルな増加を伴う PTCLは稀であり，病態を文献的に考察して報告する。