新島に露出する姶良カルデラ底下の最上部更新統?完新統堆積物について,これまで議論のあった岩相層序を見直し,下位から順に下部新島シルト層,新島軽石,新島南部軽石,上部新島シルト層,燃島貝層に区分した.堆積物の産状や貝類,珪藻,有孔虫,貝形虫などの化石に基づけば,上部?下部新島シルト層は水深100-200 mの内湾静水域の堆積物で,桜島などに由来するテフラを挟む.燃島貝層は桜島起源のラハール堆積物で,新島軽石と新島南部軽石は13-12kaの短期間に噴出した若尊カルデラ起源の水底密度流堆積物と考えられる.既知のテフラとの対比と~(14)C年代などによれば,これらが堆積した時期は13 cal ka BPから2 cal ka BPまでといえる.
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