この度は,大変名誉ある日本流体力学会「竜門賞」を贈賞いただき誠にありがとうございました.これを励みに,今後より一層精進して参りたいと存じます.本受賞の対象の論文は3編で,それぞれ壁近傍の流体構造と摩擦抵抗低減のための流体制御に関する内容を扱ったものです.1報目と3報目は,私が2012年3月まで東京大学大学院工学系研究科機械工学専攻の博士課程学生として笠木伸英先生(故東京大学名誉教授)と長谷川洋介先生(東京大学准教授),Tamer Zaki先生(Prof. John Hopkins University,当時はImperial College London)のご指導のもとに行った研究が基になった成果です.2報目は,2017年秋に東北大学流体科学研究所の大林茂先生の研究室に助教として着任してから取り組んできた層流化に関する研究の最初の成果の一部です.本解説論文では,第2節で制御対象とする壁乱流準秩序構造について,第3節でスパン方向壁振動制御について,そして第4節で層流化に関連する研究についてご紹介します.
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