2050年のCNに向け,中長期シナリオ検討: 環境省の中央環境審議会循環型社会部会で

摘要

環境省は,8月5日に中央環境審議会循環型社会部会をWEB会議で開催し,廃棄物·資源循環分野の温室効果ガス(GHG)排出実質ゼロに向けた中長期シナリォの検討を行った。シナリオでは,3R+Renewableを基盤とした資源生産性向上による脱炭素化,資源循環·適正処理システムの脱炭素化を基本的な方向とし,資源循環を通じた素材ごとのライフサイクル全体の脱炭素化,地域の脱炭素化に貢献する廃棄物処理システム構築,廃棄物処理施設·車両等の脱炭素化を対策の方向性として示した。その上で,どれだけGHGガス排出量を削減できるか,計画シナリオ,拡大計画シナリオ,イノベーション実現シナリオ,イノべーション発展シナリオの4シナリオと実質排出ゼロを達成するためにCCUS量を加味した実排出ゼロシナリオ,最大対策シナリオを設定し,GHG削減量を試算した。それによると,計画シナリオでは34.6%,拡大計画シナリォでは34.7%,イノべーション実現シナリオは69.1%,イノベーション実現シナリオでは81.9%が削減され,最大対策シナリオではCCCUSを活用することで,9,975千tCO_2が削減されるとの試算結果を示した。シナリオを通し,廃棄物·資源循環分野では廃棄物処理施設にCCUSを導入することで,実質ゼロやマイナスも実現できる可能性があるとする一方,これまでの計画の延長線上の対策では不十分であると指摘。2R対策を強化し,重点対策領域での削減を可能な限り進める必要があるとした。