アザシチジン?ベネトクラックス併用治療が奏効 した,急性骨髄性白血病とMAUTリンパ腫の合併 症例

摘要

77歳男性。頭痛を主訴に前医を受診し,頭部MRIで右眼 窩内腫瘍を指摘され当院脳神経外科へ紹介受診となった。血 液検査にて芽球を12%認めたため当科へ紹介となり,骨髄 検査では芽球を55%認め,AMLM0と診断した。眼窩内腫 瘍に対して生検を施行したところ,濾胞構造を残しつつ周囲 に浸潤していく腫瘍細胞が認められ,それらはBCL2陽性/ CD5陽性であり,MALTリンパ腫と診断した。PET-CTでは 右眼窩,肋骨,肝,傍大動脈リンパ節等に異常集積を認め た。悪性リンパ腫と白血病の合併であり,BCL2阻害薬の効 果も期待してアザシチジン?ベネトクラックス併用療法を選 択した。2コース後の骨髄検査では寛解を達成し,MRI画像 上も眼窩の腫瘤は縮小した。急性骨髄性白血病と低悪性度B 細胞リンパ腫合併症例ではアザシチジン?ベネトクラックス 併用療法が奏効する可能性が示された。