日米の地方大学での研究経験から

摘要

筆者は，現在所属する愛媛大学で約22年間，その前に米国IOWA大学で1年間，研究活動に従事した。両大学は日米の典型的な地方大学と呼べるであろう(か？）。その経験をもとに，最近思うところを述べてみたい。当初はIOWA州がどこにあるのかも知らなかったが，当時IOWA大学化学科で活躍しておられたRichard F.Jordan教授にお願いし，博士研究員として雇ってもらった。4年に一度，大統領選の予備選挙の機会にしか日本では話題になることのない州の州立大学の研究環境について，若干の不安を抱いての渡米となった。しかし，米国の有カ校のレベルには及ばないのかもしれないが，JordanグループおよびIOWA大学化学科の研究環境は実に充実したものであった。