力ソードルミネツセンスによるケイ酸鉱物の構造欠陷の定量評価と地球惑星科学への応用

摘要

カソードルミネッセンス（Cathodoluminescence，以下CLと略す）とは，物質に電子線を照射した際に生じる発光現象である。物質へ照射された加速電子が非弾性散乱によりエネルギーを失い，その一部が物質に内在する電子を価電子帯から伝導帯に励起，その後に電子が正孔と再結合過程を経て価電子帯へ戻る際にそのエネルギー差に応じたCLを発現する。半導体や絶縁体において，バンドギャップのエネルギー差に相当するCL，つまり基礎発光が有する波長は紫外線領域に位置することが多く，このような場合，可視領域においてCLは見られない。