循環器疾患における在宅医療 病院医療者がどうかかわるか？

摘要

本稿では，在宅医療でかかわる循環器疾患，とくに心不全の終末期において，どのよう な点に注意しながら診療を行い，在宅看取りまでかかわつていけるのかについて述べる.心不全患者の多くの場合，それまでに何度か入退院を繰り返していることが多く，医療 的な診断?治療を受けていることがほとんどである.いままでの入院につながった経緯や， 既往歴，どのような治療で改善したのかなど，急性増悪時の症状や所見，治療についての 情報を，得られるだけ得ることが今後の在宅管理において重要になる.どの薬剤に効果が あつたのか，どのように経過をみるのかといつたことがわかれば，急性増悪の徴候がみられた際の治療の参考になる.