病院医師が在宅関係者に伝えたいこと，伝えておくべきこと 「丸投げ」にならないケア移行に必要なことは？

摘要

訪問診療を受けている高齢者のうち，毎月7%前後が一般病床に入院しているという データがあるまた，首都圏を中心に在宅療養支援診療所を展開する悠翔会では在宅医 療を提供する5,500人の患者において，年間2,000件前後の緊急入院が発生していると いう2).不要不急の入院を防ぐために在宅医療の役割は大きいが，一定の入院が発生する のは避けられない.在宅医療を継続するうえで病院のバックアップは不可欠といえる.こ のように，在宅医療から入院へと患者の「ケア移行」は頻繁に行われている.「ケア移行」 とは「継続的な加療を要する患者が医療サービスを受ける医療機関や療養の場が移行し，ケァ提供者が変わること」である.