音源の再帰的補正によるスピーカの非線形歪低減の検証

摘要

本論文では，音源の再帰的補正によるスピーカの非線形歪低減法の有効性について検証する．今回の報告では，非線形歪補正を行う前に線形歪補正を加えた場合についても取り扱う．スピーカの歪を低減する実験を補正なし，線形歪のみ補正，非線形歪のみ補正，線形歪·非線形歪両方を補正した場合の4条件で行った．その結果，非線形歪のレベルが平均で，線形歪のみ補正した場合3.2dB，非線形歪のみ補正した場合14.5dB，線形歪と非線形歪の両方補正した場合14.2dB低減することが確認できた．これより本報告で用いた非線形歪低減法が，線形歪の低減と組み合わせても有効であることが確認された．