新しいエネルギーの現在と可能性：4風力発電の現場·立川町を歩く

摘要

地球上を流れている大気の動き，「風」をエネルギーとして最初に大規模に利用したのは帆船だ。 20世紀になって風を電気エネルギーに換える試みが世界各国で行われ，地球環境を守る新エネルギーとして21世紀に入って急速に普及し始めた。 山形県の内陸部，庄内平野は米どころとして知られるが，夏に吹く「清川だし」と呼ばれる冷たい東風がしばしば冷害をもたらしてきた。 この悪役の東風をうまく利用できないかと立川町は1980年から風力エネルギー実用化実験事業に取り組み，1993年に「ふるさと創生基金」1億円を使って風力発電機3基(300kW/h)を建設，悪風を良風に変換した。 現在では10基の発電機で937万キロワットを発電，町全体の消費電力の42.6パーセントを供給している。 自治体の取組みとしては全国に先駆けている立川町の風力発電の現状を見た。