糖尿病でとくに重要な内分泌疾患

摘要

糖尿病と糖代謝異常の成因分類には「その他の疾患，機序に伴うもの」として内分泌疾 患があげられている.これらは種々の疾患，症候群や病態の一部として糖尿病状態を伴う 場合を指し，従来二次性糖尿病といわれてきたものである.代表的なものにはクッシング 症候群，先端巨大症，褐色細胞腫，グルカゴノーマ，原発性アルドステロン症，甲状腺機 能亢進症，ソマトスタチノ一マなどがある（表1).興味深いのはアメリカ糖尿病学会の分 類にはこの「内分泌疾患」というカテゴリ一はない.おそらく，糖尿病の原因分類として の内分泌疾患ではなく，内分泌疾患はあくまで独立した別の疾患群であり，臨床像のひと つとして血糖上昇がある，という捉え方をしているのであろう.