最適設備は設備能力の徹底追求から－2 基本機能だけで最適設備を設計－過大設備の発生源は性能とサイズ

摘要

図表-3に示すのは、設備の標準時間の内訳を基本機能、補助機能、メソッドロスの3つに分けたものである。基本機能は設備稼働時には切ったり、削ったり、組み立てたりして、加工·変形·変質をともなう作業であるが、多品種に対応する設備では設備能力（性能とサイズ）をフルに使っていないロスが発生する。最小性能とサイズで使われる品種と最大性能とサイズで使われる品種との間には設備の使用領域に差がある。日常の生産では、この未使用領域がロスとなっているが、測ってみないと発見がむずかしい。補助機能は取置き·運搬など基本機能を補助する作業時間である。設備が高速化して1サイクルの時間が短くなると、1サイクルに1回の取置きによる補助機能が増え、正味の基本機能比率が低下する傾向にある。また、人から設備に置き換えると、段取りによる補助機能が増える。段取り作業は1ロットに1回発生する準備後始末作業で、小ロットで生産すると品種が変わるたびに段取り作業が発生する。