タンパク質の凝集と液-液相分離への添加剤の効果

摘要

タンパク質はもともと集合しやすい性質がある.細胞 内にあるタンパク質も集合して機能しており，多様な生 命現象を組織化していることが最近相次いで報告されて いる0.この集合物はドロプレツト（液滴）ゃコンデン セート（濃縮体)，または膜のないオルガネラなどと呼 ばれる.タンパク質の加熱に伴う凝集2>や高濃度のタン パク質溶液3).凝集性の溶液製剤4)などは，添加剤の効 果についてかなり理解が深まっている.本稿では，タン パク質の凝集や相分離を安定化する相互作用と，それら におよぼす添加剤の効果を簡潔に整理したい.