融雪災害危険度判定システム

摘要

豪雨時に発生する雨水を誘因とした土砂災害(以下、降雨災害)と比べて事例数は少ないものの、積雪地帯では融雪水を誘因とした土砂災害(以下、融雪災害)が生じることがあり、融雪災害は危険性の予測の難しさから維持管理上の課題となつている。鉄道では、降雨災害に対して沿線の雨量が基準値を超過した場合に饕備?運転中止を発令するなどの定量的な指標に基づく防災対策が運用されているが、融雪災害は誘因となる融雪量の把握が困難なため、融雪量に基づく警戒要否を判断する手段が整備されてこなかつた。そこで鉄道総研では、気温などの気象データより推定される融雪量の解析値を反映した実効雨量(以下、実効融雪量)を評価指標に用いた実用的な融雪災害の警戒情報配信システムを開発した。