地球惑星科学の混相流（1）: キッチン地球科学の視点から

摘要

「万物は流転する」という古代ギリシャの哲学者ヘラクレイトスの言葉があります。プレートテクトニクスによれば、2億5千万年前には一つであった大地がマグマ対流によって流され、我々が立つ地球の大地は現在の形となったとされています。また、固体として振る舞っていたはずの土砂や氷が、ある瞬間を境にまるで液体の様に振る舞うことで、土砂崩れや雪崩が生じます。溶岩に含まれる気体の膨張と気泡の破裂により、火山は爆発します。このような地球や惑星規模の現象は、時間や空間のスケールが極端に長く、（自然現象なので）現象を制御できないため、観察すること自体が困難なものが無数にあります。しかし、アイディアとちょっとした工夫次第では、地球の一部をモデル化し物理現象を何時でも何処でも誰でも簡単に観察することが可能となります。