腎盂腎炎の診断におけるCT所見を極める 腎周辺がもやもやしてたら腎盂腎炎ですか？

摘要

急性腎盂腎炎は，臨床症状，血液検査，尿検査，尿培養の所見を組み合わせて診断されることが一般的である.CTをはじめとした画像検査は通常，尿路の解剖学的異常や，気腫の合併などの検索に利用されるものであり，急性腎盂腎炎かどうかの診断には重要では ない.急性腎盂腎炎のCT所見では，腎周囲脂肪織濃度上昇（perinephricfatstrandings ： PFS),水腎症，腎囊胞，腎結石などが比較的よくみられ，ときに腎膿瘍，尿管壁浮腫， 腹水，門脈周囲浮腫，腎瘢痕などがみられることもあるこれらの所見のうち，PFSに ついては，その存在がイコール腎盂腎炎の存在証明かのように語られることも少なくない. そこで本稿では急性腎盂腎炎におけるCT所見，とくにPFSの意義という比較的ニッチな内容について検討していく.