Europe Collections

摘要

2015年秋冬コレクションは、ある意味不安を背後に感じながちの取材であった。人が集まるところではテロが頻発し、コレクションは、富や栄華の象徴にも思われている懸念もあり、あらゆるところで張り詰めた空気が漂っていた。だが今シーズン提案されたのは、時代の抱く不穏なムードとはうらはらに、ほんのり色づく少女のようなロマンティシズムや、春からの70年代ムードが、一段と装飾性を高め退廃的なほどゴージャスに継続する「オビュレント?デコ」が主流となった。そしてこれまでのナチュラルやオーガニックの流れから一転して、無機質な表情のフューチャリスティックな素材感とミニマルなシルエットで作るフィギュアのようなドール感覚が、若手デザイナーから支持され、新しい流れを示唆。また、ウインターホワイトも、テーマとして浮上。白を思い切り贅沢に、防寒機能をプラスして着こなす、「ホワイト?プロテクション」も登場した。