犬種と肥満細胞腫

摘要

近年，犬の肥満細胞腫(MCT)において，悪性度と犬種との 関連に着目した興味深い論文が発表されている。筆頭執筆者 が望月浩之先生（ノースカロライナ州立大学）であることもあ り，で是非紹介したいと思う。肥満細胞腫の好発犬種過去の報告の中でボクサー，ボストン'テリア，ラプラド一 ル.レトリ一バー，ゴールデン'レトリ一バー，パグは好発犬種とされている1 一5)。一方，ジャーマン、シェパード.ドッグ， ヨークシャー、テリァ，チワワはMCTのリスクが低いとの報 告もある14)。表1に過去に犬種と肥満細胞腫の発生につい ての報告をまとめた。いくつかの報告において共通している のが,ボクサー，イングリッシュ'プルドッグ，フレンチ'プ ルドッグ，ボストン.テリアといつたプルドッグを起源とす る犬種はMCTが好発するとされている点である。