抗がん薬治療の実際-薬用量の決定と有害事象への対応:猫の卵巣腫瘍(平滑筋肉腫)

摘要

猫の卵巣腫瘍の発生はまれであり，未避妊雌の0.7-3.6%で 発生することが報告されている。避妊手術を行えば通常は発 生しない腫瘍のため，現在遭遇する機会は極めて限られてい る。卵巣に発生する腫瘍はおもに上皮系腫瘍(腺腫，腺癌な ど),性索間質腫瘍(顆粒,胞腫など)，胚細胞腫瘍(未分化胚 細胞腫，奇形腫など）およびその他の腫瘍(平滑筋由来腫瘍な ど）が知られているが,猫ではいずれもまれであり治療方針， 予後など不明な点が多い。