上野論文に対するEditorial Comment

摘要

糖尿病は，心不全発症のリスク因子のひとつであるが，左室駆出率の低下した心不全(heart failure with reduced ejection iraction ； HFrEF),左室駆出率の保たれた心不全(heart failure with preserved ejection fraction ； HF-pEF)いずれにおいても，患者予後に関連する重 要な因子と報告されている.糖尿病関連心筋障 害では，これまで拡張障害が最も早期に起こる 機能変化として挙げられ，HFpEF発症の病態 生理学背景と考えられていた.最近，経胸壁2D 心エコーによるスペックルトラツキング法を用 いた長軸方向ストレイン（global longitudinal strain ； GLS)計測が普及しつつあり，収縮障害 を早期に評価できるようになった.