変質する石油エネの関係予算石油対策は減額、高度化対策が増額

摘要

経済産業省は8月26日に2005年度予算の概算要求をまとめ、月末に財務省へ提出した。資源エネルギー関係では石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計（石特会計）は2004年度予算比2.0％増の6,357億円と多少膨らんでいる。内訳は石油対策が2.7％減の3,561億円、エネルギー需給構造高度化対策が8.7％増の2,786億円である。石油対策向けが減るのに対して省エネ、新エネ、天然ガスの利用促進や石炭の環境負荷低減の補助·支援に回すエネルギー需給構造高度化対策向け予算は増える。 石特会計の財源には石油石炭税が充当されており、石油の税負担が最も多いのにである。 しかも、エネ高度化対策のうち環境省管轄分が本年度予算額の125億円から270億円へ一気に2倍以上も膨らんでいる。 環境対策·補助支援財源がさらに充実するわけだ。 概算要求でもう一つ注目されるのは独立行政法人石油天然ガス·金属鉱物資源機構が運営費交付金で実施する事業の扱い。 来年度の概算要求に織り込まれているのはあくまでも現時点の想定額であり、独立行政法人の事業実施時には一部変更される可能性もあると示唆している。対象事業が産業体制整備や備蓄など石油対策のほか、省エネ、新エネなどエネ高度化対策全般に及んでいるのが目立つ。 2005年度の石油エネ関連の概算要求は予算配分に含みが多く、これまでになく流動的だ。