三瀬陸橋（高耐久性PC橋）の設計と施工（上）

摘要

一般国道7号は新潟市を起点として，青森までの延長約520km を結ぶ日本海側の主要幹線道路である．その中で新潟県北部から山形県南部にかけての道路は，日本海に面し，春から晩秋にかけて，穏やかな日本海と岩礁の連続する景観がドライバーに憩いとやすらぎを与えており，最高のドライブコースとして知られている．しかし，晩秋から初春にかけての数カ月間は北西からの強い季節風が吹き荒れ，「波の花」と呼ばれる海水の泡の発生や沖から吹き寄せる波浪が沿岸の岩礁や防波堤に打ち当たり，波しぶきとなって直接道路や橋梁に降りかかり，構造物を著しく損傷させる「塩害」の原因となっている．