熱赤外線画像によるコンクリート構造物表層部の変状評価手法の検討

摘要

国土交通省管轄橋梁の定期点検は，従来から「橋梁点検要領（建設省土木研究所，昭和63年7月）」に基づいて実施されているが，平成13年4月に「第三者被害を予防するための橋梁点検要領（案）」が作成された．その要領では，打音検査に比べてより客観的な非破壊検査法の導入を検討し，現時点では最も点検効率に優れ信頼度の高いポータブルな赤外線カメラを用いるサーモグラフィ法を採用している．赤外線カメラを用いて橋梁地覆，床版張出し部等に存在する表層コンクリートの浮き・剥離，その他の変状を調査する場合に得られる熱画像等のデータは，剥離判別を主とする変状評価において，必ずしも効果的な活用が図られているとは言えない現状にある．