関西レポ一ト(84)：熱中症と清暑益気湯

摘要

梅雨が明けた7月19日から，厳しい暑さの毎日です。これまで私は「できるだけ自然の風を通して過ごしましょう」とお話ししていましたが，これだけの熱風です。しかも，熱中症の 6 割以上が自宅での発症ですから，今年は「エアコンは必ずつけておきましょう」とも付け加えています。では，熱中症とはどういった病態なのでしょうか。疾患の定義は「暑熱環境下，あるいは運動などにより，生体内で必要以上の熱を作る条件の下で発症する。体温を維持する機能が失調し，全身の臓器の機能不全に至るまでの，連続的な病態」とされます。エアコンの効いた環境とうだるような暑さの屋外とを行き来することが生体に及ぼす深刻な影響が，これから次第に明らかにされるでしょう。