開端杭の先端支持力機構に関する研究

摘要

筆者は前職では港湾構造物の基礎に関する研究を行ってきており，中でも杭構造物の研究をしてきた.ただし，前職の研究室では，主として杭の横抵抗メカニズムの研究が中心であり，鉛直支持力についてはほとんど研究がなされていなかった.しかし，東京ゲー卜ブリッジの主塔の設計をきっかけに，開端杭の閉塞問題について研究を始めた.中でも，①港湾構造物では，大径杭が用いられる傾向にあった，②1本の杭に期待される鉛直支持力が大きく，根入れ深度が深くなる傾向にある，③鋼管杭のような薄肉の大口径杭で長尺の杭の閉塞問題は，主として港湾現場での問題であり，自ら解決すべき課題である，などの理由から，大径長尺鋼管杭の閉塞現象を把握することが大事であると考えた.