阿武隈大橋

摘要

常磐自動車道および仙台東部道路(山元IC～岩沼IC,約14km)の四車線化事業は,東日本大震災の震災復興の一環として2016年に事業許可され,復興?創生期間内(2020年度内)の完成を目指し，限られた工期の中，事業が進められた.この区間の四車線化事業は交通集中による速度低下の緩和，対向車線への飛び出し事故の削減,維持管理のしやすさ?機能向上，並行する国道等との連携強化を期待するものである.阿武隈大橋は，このうち亘理ICから岩沼IC間に位置する橋長534.3m,最大支間長110 mの鋼5径間連続鋼床版箱桁橋で，下部構造はニューマチックケーソン基礎+柱式橋脚，場所打ち杭+逆T式橋台である.施工は供用中のⅠ期線と約3mと近接しているため各種安全対策を実施した.また，3回の非出水期で橋梁を完成させる必要があったため，施工用仮橋を通年設置可能な構造とし施工期間の短縮を図った.橋脚はピアケーソン構造とし，工程短縮のため躯体構築に大型型枠等を採用し,4基同時に24時間施工を行った.上部工は,3台のクローラクレーン架設で，作業順序の効率化?最適化を図り，2020年5月に無事完成させることができた.