配管の腐食と対策：腐食の原因とメカニズム＜腐食とうまく付き合うために＞

摘要

金等の貴金属は別として、配管材料として実用される「実用金属」は、天然では、それらの金属の酸化物や硫化物等の化合物の形で存在するのが普通である。 それは、こうした化合物の方が安定であるからである。 それを、我々人間が、自己の利益のために、膨大なエネルギを、こうした化合物に加えることによって、無理やり、酸素やイオウとの結合を断ち切り、純粋の金属とするのである。 それはあたかも相思相愛の二人の仲を、親が無理やり引き裂いて、部屋に閉じ込めることであり、相思相愛の二人は、親の隙をみて、一緒になろうとする。 金属も、我々の隙をみて、再び、酸素やイオウと再結合して、より安定な状態になろうとする。 これを我々は腐食と呼hで、忌み嫌うのであるが、腐食は、栗田工業の高岡元社長がいみじくも言ったように、「自然の摂理」であり、腐食をゼロにすることは、「自然の摂理」に反することであり、我々にとって耐えられる範囲に腐食を抑制するにとどめるというスタンスで腐食に対すべきものである。