住宅のための新たな省エネルギー基準－平成21年4月施行「住宅事業建築主の判断の基準」とは

摘要

従来の住宅省エネ基準が暖冷房負荷を抑制する目的の下で、建物躯体の性能を対象とした基準であるのに対して、今回新たに設けられた基準は、暖冷房や給湯といった住宅設備の効率を踏まえて、エネルギー消費レベルでの、より直接的、総合的な省エネルギー基準となっている点に特徴がある。換言すれば、省エネルギーを実現する方法には、躯体の断熱向上のみではなく暖冷房設備や給湯設備を初めとする設備機器の効率向上もあるので、省エネルギーのための選択肢を広げつつ、暖冷房の負荷（室温を維持するために必要となる熱量）に留まらない、最終的なエネルギー消費レベルにおける住宅の省エネルギー性能を評価しようとしている点に特徴がある。