国立科学博物舘を基盤とした化学教育·偲学普及活動への貢献

摘要

若林文高氏は，1980年に京都大学理学部を卒業した後，1982年に東京大学大学院理学系研究科相関理化学専門課程修士課程を修了し，国立科学博物館（科博）理化学研究部研究官に採用された。主任研究官·研究主幹を経て現職となり，31年間にわたり博物館という場で化学教育·化学普及活動に従事してきた。学会と連携した化学実験教室や特別展の企画·実施，博物館独自の化学系展示の企画·実施，化学教育教材の開発などを通じて，一般と学会とを結びつけるという意味で小中高や大学という教育·研究の現場とは異なる博物館の特徴を活かした活動を行った。以下に，氏の業績の主なものを述べる。