知による新時代の社会経済の創造/平成14年科学技術白書より

摘要

わが国においては、科学技術創造立国の実現を基本とし平成13年に策定された第二期科学技術基本計画に従って、「知の世紀」といわれる今世紀において、人間の知的活動の成果としての幅広い知識の創出と蓄積、それを有効に活用するための英知により、「知の創造と活用により世界に貢献できる国」及び「安心·安全で質の高い生活のできる国」の実現を目指して科学技術システム改革が進められている。 また先般の中央省庁等改革の中で、国立試験研究機関の独立行政法人化が行われるとともに、国立大学の法人化についても、平成14年3月に基本的な考え方が示された。 国立大学の法人化の方針においては、それぞれの大学の個性に応じたダイナミックで機動的な運営体制の確立、柔軟な組織編成と多彩な活動の展開を可能とするような組織運営のあり方が示されるとともに、教員の多彩な活動を可能とするため、職員の身分を非公務員型とすることが示されている。 これらは大学の研究者の研究成果を還元することによる社会貢献の意識の向上と、そのような活動に対する制約を解除する上で、極めて重要な意味を有するものである。 また、私立大学をも含めた大学間の競争が活発化することが重要である。