Fragment Molecular Orbital Method-Based Molecular Dynamicsの略。フラグメント分子軌道(FMO)法を電子状態計算に用いた分子動力学(MD)法の意。FMO法は,タンパク質や分子クラスターなどの大規模系に対する量子化学計算(QM)を目的として考案された。従来のQMによる大規模系の取り扱いは,計算量の問題から非現実的であった。FMO法では,計算対象を適当なサイズのフラグメントに切り分け,フラグメントとフラグメントペアのQM計算から全体のエネルギーを近似する。系全体を一度に扱う必要がなくなるため,計算量が大幅に減少するほか,並列計算によってさらなる高速化が可能である。
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