（業績）「生物活性天然物の全合成を起点とした生体機能分子創製への展開」

摘要

医薬品リード化合物の探索や生命科学解明のためのツールとなる生体機能分子の開発は，昨今のケミカルバイオロジー分野の勃興により，ますます重要な研究課題の1つとなっている。また，これまで報告例のない生物活性発現機構を示す天然物は，新しい生命現象を理解するためのツールとしても重要である。早川氏は，興味深い生物活性を示す天然物の全合成，全合成経路を基盤とした誘導体合成と生物活性評価，その構造活性相関の結果に基づいた天然物アナログの設計を行い，天然物よりも活性の強い生体機能分子の開発を目標に研究を展開してきた。以下にその概要を示す。