ヒドロシアノ化

摘要

医農薬や機能性ポリマーの原料として汎用されるシアノ化合物を，オレフィン類から簡便合成する手法としてヒドロシアノ化が広く知られている。ニッケル触媒とHCNからシアノ化合物を与えるシンプルな反応系であるが，発見から半世紀近く経った現在でも様々な改良が加えられている。初期の応用展開では，スチレン誘導体の位置選択的ヒドロシアノ化やキラル配位子を用いるエナンチオ選択的ヒドロシアノ化が代表例であったが，最近ではアルキン·アレン等を用いる位置選択的ヒドロシアノ化にも応用されている。