地中熱ヒートポンプによる富山県内地下水の熱利用時のスケール沈殿について

摘要

再生可能エネルギー利用の1つとして、地下水熱を利用した地中熱ヒートポンプが世界的に広まりつつある［1］。富山県内では，豊富な地下水の熱エネルギーを，消雪や室内冷暖房に利用する地中熱ヒートポンプ（Geo-HP）が注目されている［2］．開放型あるいは密閉型のヒートポンプをどのように利用するかは、対象地域の地下水の流動様式や水質及び地下水利用に関する法令（いったh汲みあげた地下水を地下へ戻すことができない規則など）に依存する。このうち、地下水の水質は、開放型の場合に、熱交換部分に炭酸カルシウム（CaCO_3）の沈殿物（スケールと呼ぶ）が析出し、熱交換率を低下される問題が発生する。このため、Ca成分を多く含む地下水は利用方法が限定される。そこで、本研究は、富山市内の地下水の熱利用を計るための基礎調査として、地下水及び関連する河川水の試料採取·分析を行い、地下水流動様式の把握やスケール沈殿の可能性について評価を行った。