石油市場，2，3月商戦の行方は

摘要

1月の原油市況は，米国北東部の厳しい寒波と米国原油在庫の歴史的低水準を背景に，WTIが一時36ドル／バーレル台をつけるなど，昨年3月以来の超高値を記録。 寒波が和らぎOPEC総会（2月10日）での減産見送りの公算が強まったことで，下旬には32ドル台まで下げたが，1月平均では前月比2ドル強上昇し34.23ドル／バーレル。 日本向けFOB価格の指標となるドバイ，オマーンも1月平均で0.7～0.8ドル上昇し，29ドル前後となった。 　 一方で2月仕切に適用される為替レートは，前月比約1.5円の円高ドル安で107円／ドル台後半となったが，原油高騰によるコストがこれを上回り，元売各社はコスト転嫁の未達分等を含めて「12月比2円上げ」を打ち出した。国内業転市況は，元売の市中買いや全国的寒波を背景に1月中上昇を続け，灯油等の需給環境は急速に改善しつつあるものの，末端市況はガソリン，産燃油とも低迷続き。 民灯もシーズン末期のジリ安を示現しつつあり，燃料油全般に市況底上げが急がれるものの，見通しは甘くはない。 1～3月の収益は年度決算に大きく影響するだけに，元売，販売業界のもうひと踏h張りが期待されるところだ。