原油急落で料金は8社で値下がり1月は原油続落で下げ幅拡大の公算

摘要

9月に輸入された原油の円建て価格が6月価格から21％も安くなったことから，7～9月平均では6～8月から6.9％も安くなった。また，石炭の場合も7％下がり，7～9月平均では2.1％安くなった。このため，原油や石炭の使用比率の高い電力では，平均燃料価格が大幅に下がる。一方，LNGの円建て価格は6月より9％も高くなったことから，7～9月平均でも6～9月より2.8％高くなった。このため，LNG使用比率の高い電力では，平均燃料価格が底上げされる。こうした7～9月の輸入価格で算出した10社の12月検針用平均燃料価格は，東京が前期の横ばい，中部が600円／kl（1.8％）の値上がりとなったほかは値下がりした。値下がり幅は北海道の1,700円（5.6％）を筆頭に，沖縄が1,100円（4.9％），北陸が1,000円（4.5％）と，燃料費調整諸元にLNGを含hでいないこの3社で大きく下げた。しかし，LNGを使用している関西と中国，四国は2～3％の，東北と九州は1％未満の値下がりにとどまった。このうち北陸が基準値を再び下回ったことから，12月検針の燃料費調整は10社ともマイナス嗣整が実施される。特別高圧用でみたマイナス調整単価は，中部が11月検針用から13銭／kWh縮小（電気料金は値上がり）するが，調整幅が拡大する8社は2～32銭の幅で値下げ圧力になる。翌1月検針分でも12月検針のパターンを繰り返しそうだ。12月に比べ原油の値下がり塙が拡大すると予想されることから，LNGを使用していない3社の平均燃料価格は6～8％も下がる。LNGが10月分に反落を予想しても，8～10月平均では値上がりになるため，中部は小幅に上がる。特高のマイナス調整単価に予想した拡大（料金の値下げ効果）は，北海道41銭，沖縄38銭，関西26銭，四国22銭，北陸19銭，中国17銭，東京13銭，九州11銭，東北10銭となる。