WTI再急騰促す米国のガソリン事情あれこれ

摘要

米国エネルギー情報局（EIA）が4月7日，"Short-Term Energy Outlook,April2005"（エネルギー短期見通し＝エネ短観）を発表した。 それによると，2005年第1四半期のWTIスポット価格は，3月分のエネ短観で予想した48.67ドル／バーレルを1.10ドル上回る49.77ドルとなった。 昨年の第1四半期を14.50ドル上回った。 第1四半期のNYMEXのWTI期近物市況（終値）は1月3日の42.12ドルでスタートした。 昨年10月22日，26日に55.17ドルの起高値を記録した後，WTIはジリジリと下げ続け，12月10日には40.71ドルと40ドル割れも予想させる状況となった。 しかしながら，その後は総じてジリ高展開，年明け直後やや下げたものの，1月半ばには48ドル台，2月入り後も45～48ドル台のレンジで動いた。再び急騰に転じ50ドルを突破したのが2月22日（51.15ドル）。 米国にこの冬初めてといっていい大寒波が到来したためだ。 3月20日までの超長期居座り寒波に，暖房油·ガソリン·原油が急騰した。 製品も原油も需給はタイト化。 これを解消しようと増産に努めた結果が，テキサス州の製油所事故4連発となり，加えて想定外のベネズエラ製油所の停電による休止まで起こった。 4月1日，WTIは57.27ドル，ガソリン173.10セント／ガロン，暖房油166.38セント／ガロンとなった。 ところが，13日現在，WTIは50.22ドル，ガソリン148セント，暖房油144セントへと下げてしまった。 原油急騰の三大悪夢，大寒波·4連続製油所事故·ベネズエラ停電が解消したことから，それ以前の市況レベルへと下げているわけだが，EIAは「50ドル以下への持続的低下はない」としている。 ガソリン市場はどうなるのかを含めて，米国石油市場の最新情報をまとめておこう。