需要期直前に市況急落方向性定まらない石油製品市場

摘要

原油市況続落で先安感が続く石油製品市場。9月の原油暴落を受けた10月仕切の打ち出しで石油元売各社は，「コストベースでは9月比（-）4.0～H5.4円／lの値下がりとなるが，9月までの仕切値上げ分の取り残しが大きいので10月仕切は据え置くか若干の値下がりに止まる」と説明していたが，末端市況は10月入りとともにSS店頭価格で5円／l強，中間三品大口市場も10月以降分の需要家納め価格が，官公需入札から産業用まで5円／l弱もの大幅な値下がりとなるケースが目立っている。 ドバイ原油市況の東京市場終値は10月中旬入り時点で55ドル／バーレル台まで下落しており，続く11月仕切も，コストベースでは3円／l前後の連続値下げが予想される情勢。北海道では需要期を迎えつつあるが原油市況続落を受けて先物市況，海上スポットともに引き続き低水準で推移しており，今冬の暖房油商戦をはじめとする石油製品市場は依然として方向性の定まらない状況が続いている。 しかし，全国的な需要期入りも目前だ。 昨年12月の厳寒で灯油やA重油が超逼迫状態となったのは記憶に新しいところでもある。 13日にはアメリカ北部の五大湖周辺が早くも寒波に見舞われている。 生·販各社は売り急がずに，原油市況の反騰を視野に入れて需要期に備える対策を講じるべきだろう。