賢者はキャラバンを組hで旅をする

摘要

11月29～30日の2日間にわたってJCCP（国際石油交流センター·出光昭理事長）が第25回国際シンポジウムを開催した。 JCCPは石油産業の下流部門での産油国の協力を目的に25年前に設立され，産油国から大勢の研修生を受け入れるとともにシンポジウムを毎年開催して，精製部門での技術交流を図ってきた。最初に受け入れた研修生は早や50歳台，産油各国の主導的技術者としてそれぞれの国で活躍している。 日本の石油の安定供給のために果たしている役割は計り知れないものがある。 「継続こそ力なり」である。 さて，第1日目は各国代表がプレゼンテーションを行ったが，サウジアラムコ副社長のイプラヒムS．ミシャリ博士のプレゼン「賢者はキャラバンを組hで旅をする」を全文紹介する。 ミシャリ氏は，今後も需要が増大し続ける石油の安定供給とは生産者がいかに石油を生産·供給するか，ということだけではない，需要者が石油をどのくらい消費するのか，精製能力はそれに応じて拡張されるのか，輸送能力は？ ，そういったこと，つまり需要のセキュリティもまた大事なのだ一と強訴した。 需要·精製·輸送などのしっかりした見通しがないのに，ただ増産·安定供給だけ要求してもダメですよ，と語ったのだ。 とりわけ，世界的な需要の白油化と重賞化する一方の原油，というこの急速に進行するミスマッチを産消双方がどう乗り越えていくのか。 これはとりもなおさず，このシンポジウムの最重要テーマなのだが，これには立場の違いを越えて協力して取り組まなければならない。 独りではダメだ。 「賢者はキャラバンを組hで旅をする」のである。